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概要

masters2019

会報 <日本マスターズ柔道> 2019年1月9日35ているのではと自分なりの解釈にとどまっていた。しかし今回の調査でベテランズ大会でのフランスの圧倒的出場者数を前にして、かかるあさはかな認識を払拭しなければならないと思った。 聞けばフランスではひとつの道場に100人から200人以上の多くの練習生を抱えているので、それで柔道家は斯業に専念しつつ食べていけるということである。フランスが国・柔道団体の柔道家の育成と国家資格の賦与、柔道教育の積極的関与が実を結び、日本が柔道人口20万人に対して、60万人で、日本の3倍も有する柔道大国になった。ブラジルも今や柔道人口200万人になり、世界一の柔道大国へとなった。その現実が3年間(もっと以前からかもしれない)を通じての大会でフランス、ブラジルが多くの出場選手を送り込んで来たことで裏付けられたのである。今年のバクー世界大会でフランスは男女合わせて金1銀1銅2で日本に次ぐ第2位、団体戦2位で、ブラジルはメダル銅1にとどまり、両国と日本との差はまだまだと云えよう。しかしベテランズ大会への圧倒的な突出力を前して、柔道大国から柔道強国へと転化する日はそんなに遠くのことではないと思うのは私だけであろうか。 私はある在校生400人の中学校の柔道の校外指導員をしているが、この区は総人口約20万人で中学校10校のうち、柔道部はわずか3校で、その内の一校は今年から部員の募集を停止した。この学校の在校生は800人で、市内の有数の大規模校で各種スポーツ競技で多くの優勝者を輩出しているが、こと柔道については存廃の危機に直面して、今やお先真っ暗のなさけない状態に置かれている。剣道部は10校中9校設置されていて、指導者が転勤して穴があくと区の協会・指導者が部活動に支障のないよう指導者を学校に紹介・配置していると最近聞いた。 かく云う私も来年3月退任で、今後継者探しに奔走中だ。一度廃部になったらその復活は極めて困難だ。せっかく小学時に柔道を学んで中学に行っても受け皿がなく、しかたなく他のクラブへ入部していることは、今日どこにでもある一般的な姿となって来ている。近年柔道の底辺拡大が叫ばれているが、子供の少子化でその実現性はますます遠のくばかり。子供が少ないから柔道人口が減少する論法に一理はあろうが、それだけではないだろう。最近近くに空手道場ができたが、なかなか盛況の様子で、特に未就学の児童たちが近所で空手着を着てうろついている姿がやたら目につく。 現状をどう克服したらいいのだろうか。まずは資格を持つ指導者の育成が第一であろう。柔道の指導をしている者はどこの道場でも結構いるようだが、資格を持つ人は極めて少ない。資格を取ったらと勧めてもボランテアでやっているので、お金をかけてまで資格を取ろうとは思わないと云う。そう云いながら結構指導法について得々と自説を展開する。「学ばざる者教えるべからず」なのだが、馬耳東風のやっかいな存在だ。 柔道人口減少傾向は、拡大にあるのではと思う。柔道を学ぶ子供は自然には増えないし、興味も生まれない。前述である国のコーチが審判から注意を受けたといったが、コーチは随意にやっているのではなく、選手とは別にコーチとして登録し、参加費を支払ってコーチボックスに座っているのだ。いままで選手登録したことは当然であるが、コーチ登録などの手続きなど聞いたこと皆無である。其の国では果たして自費でコーチとして登録したのであろうか。残された4大会への参加を夢見て千葉県 五十嵐 徳英(M10・73㎏)今年(2018年)も、日本マスターズ柔道協会の「世界ベテランズ柔道大会参加ツアー」に加えて頂き、3回目となるIJFの世界ベテランズ柔道大会に出場しました。今年から自身の年齢区分がM10(75才~79才)となり、その年齢区分の中で最も若い選手になるので、今年こそはとの思いで参加しましたが、試合の結果は銅メダルで、去年のイタリア大会、その前のアメリカ・フロリダ大会を超える結果を得ることが出来ませんでした。世界大会に参加するについては、「自分の年から言って、この先世界大会で試合が出来るのも、指折り数えるしか無いから」と、家族に無理を頼み込んでの参加ですので、「次こそは是非家族の納得する結果を持ち帰るために頑張りたいと思っています」と云うことは、来年の大会もまた精進を重ねると約束する事になる訳で、常々一緒に稽古する若手に「機会が有れば試合には出るようにしろ、すればおのずと稽古に身が入り強く成れる」と言っていることを自身が実践して見せていることに繋がっていると自負しております。世界大会への参加で感じることは、柔道の試合とは別に、その土地に行かないと目にすることが出来ないものを見ることが出来ることだと思います。前回のイタリア大会では、2000年の昔にコロッセオや古代の