ブックタイトルmasters2019

概要

masters2019

20会報 <日本マスターズ柔道> ２０１９年１月９日それから毎年参加しました。試合では対戦相手の素晴しい技に柔道の深さを感じたことが度々ありました。柔道の友人の10歳年下の荒井敏文さんとは常に一緒でした。彼は神戸実業団でも監督をしており、地元の衣川柔道同好会をまとめていました。団体戦では当初は選手が集まらず、彼と私の２人だけになってしまい棄権した時もありました。そうして毎年、荒井さんはメンバーを集め、（第14回白浜）では２チーム団体戦を組むことが出来ました。団体戦優勝経験のある安立先生率いる衣川Ａチームは『念願の３位入賞』を果たしました。その強さが際立ちました。又、今年（第15回愛媛）の個人戦では、顔見知りの若い兵庫県勢の入賞が多かったです。私は歯科医ですが、歯科大の後輩達も怪我を恐れて、もう柔道をしません。しかし、柔道の試合に出場される御高齢の方々がまだまだ大勢、全国におられる事が良く分りました。何年も試合を観戦し、皆様の試合に対する心意気を感じて、感動し続けております。現在も地元の明石では良く衣川柔道の方々やマスターズに出た方々と快い酒を飲み交わします。私の柔道は趣味の領域ですが、私はマスターズ柔道大会に深い思い入れが出来ました。だから、身体を鍛えて腰痛を治し、心を強く持って、再び出場したいと願っています。試合は怖い（楽しい）です。私は柔道の発展に貢献出来たかも知れません。今後も、日本マスターズ柔道大会の発展を祈念します。アラブで柔道に出会う千葉県　坂東　雅邦（Ｍ８・66㎏）私が海外で柔道体験をしたのは、まだ学生の頃（１９７１年）で場所は中東でした。当時まだ円が360円の固定レートで、フルブライト奨学金でも受からなければ普通の学生が外国に行ける事など先ずなかったのですが、幸いに当時のアラブ連盟東京事務所等のご支援もあり、生まれて初めて飛行機に乗り日本を出る事が出来たのです。羽田からエジプト航空のＤＣ８に乗り、香港―バンコク―ボンベイを経由して、早朝のカイロに着きました。在カイロの先輩に電報を入れて迎えをお願いしていたのですが、誰もおらず、ＪＡＬのカウンターもその日は便がないと言う事で誰もいない。仕方なく一人で、当時エジプト人と結婚していた別の先輩の奥様のご実家まで、タクシー運転手と揉めながらも何とか辿り着きました。数日すると日本大使館の方から、講道館の指導者がセミナーを開くので通訳を手伝ってほしいという依頼があり、カイロ郊外のヘリオポリスにある体育館で二日間お手伝いしました。驚いた事に、受講者の大半は軍の高級将校や警察のエリートでした。エジプトには随分前から柔道が伝わっていて、軍や警察がいち早く教練の武道として取り入れたそうです。講道館指導者による綺麗な送り足払いには全員驚き感服していた事を覚えています。先生方はその後アレキサンドリアで10人抜き試合を披露して、これも大喝采で、大いに柔道人気が盛り上がったそうです。また、私の方は、居候させていただいていた先輩の奥様のご実家で、ご長男が高校で柔道を習っていると言う事で、お互いあまり上手でない英語で柔道の話などしていました。ある日、サダト大統領がイスラエルと戦うという声明を出し、ご長男が『戦意高揚』したのか、私とリビングルームで乱取りをしようと言い出しました。ご家族は皆さんやめろと言うし、私も困ったのですが、勢いに押されて組合いました。幸い隙が出た処を私が大外刈りで彼をソファの上に投げる事が出来、お互いに怪我もせずに済みました。ご家族の皆さんには『ミスターバンドーはストロングだ！』と褒められましたが、私の下手な柔道が褒められたのは後にも先にもこれ一回でした。その後レバノン経由でヨルダンのアンマンに回りました。空港からタクシーに乗り『安いホテルに連れて行ってくれ』と言うと『ヒルトンだ』と言う。『それは高いだろう』と言っても『いや安い』と言うし、どうも嘘つきの感じでないのでそのまま乗っていると、一字違いの『ハルトン』というホテルに着きました。巡礼宿のような感じで確かに安かったのですが、20位ベッドのある大部屋に一人で泊まる事になりました。トイレは共用、シャワ―は水だけで有料（￥50位）でした。其の二階の部屋に屯している数名の若者の一人が、『ボスが日本人（アラビア語でヤバーニー）に会いたいと言っているからちょっと部屋に来てくれ』と言うのです。行ってみると、純白の頭巾を被ったいかにもお金持ちの子息という感じの青年が、数名の『子分』に囲まれて待っていたのです。彼曰く『ヤバニーはジュウドウという武術をやるそうだがお前はやるのか？やるのであれば見せてくれ。』と言うので、こんな感じで投げるのだと一人打ち込みを見せると『良く分らんから俺の子分とやってみろ』という。子分の代表が出てきたので、すかさず大内刈りで倒すと、『今のは良く判らなかったからもう一度見せてくれ』という。好奇心旺盛なのと話題に飢えていたのでしょう。それで二回目は体落しで投げると『今度は良く判った。ショコラ―ン』と言う事で、