ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

masters2019

会報 <日本マスターズ柔道> 2019年1月9日17げ・小内刈り・大内刈りも使えず騙し騙し稽古をしていきました。練習が終われば膝も腫れ、練習後のアイシング等のケアも怠らずに毎回のトレーニング・休みの日の柔道と尽力していきました。 そこで唯一練習で使えた技が「巴投げ」でした。しかも右組の場合通常左足を使う処、左膝の負傷によりそれが出来ずにあみ出した技が右組で右足を使用した巴投げです。普段使わない技を徹底的に大会迄使用し何度もやり続けました。その成果もあり今大会、決勝迄の3試合は全て逆足での巴投げでのポイントで勝利し優勝する事が出来ました。 大会結果に全て「巴投げ」と明記があったのには少し笑えましたし何よりも「努力は人を裏切らない」と身を持って感じる事が出来ました。 子供たちも同じ目標設定をした事で8月に行われた県大会で5年生の長男が初めて3位入賞を果たしてくれました。(次男は惜敗してしまいましたが)今大会を通じて親子で努力は報われる!という素晴らしい経験が出来ました。まだまだこれで終わりではありません。来年もこのマスターズ大会参加を目標に日々精進して行きたいと思います。 今大会に出場し良い経験が出来た他の話ですが私は最近出場する試合で試合終了後に対戦した選手に「ありがとうございました。」と言いに行くようにしていました。今大会でも同じ事をしていると、対戦相手が知り合いの後輩であったり同級生であったりと試合後は仲良くなる事が出来ました。これこそが「自他共栄」である事に気付かされました。 今後も柔道を通して「精力善用」「自他共栄」で柔道に取り組んでいきたいと思います。 最後に笑い話しとして大会前々日、減料の最終調整として地元千葉でスーパー銭湯に行ったのですが、そこの露天風呂の日替わりの湯が「道後の湯」・・「明日本場で入るし・・(笑)」と一人で笑ってしまいました。勿論現地で本場の道後温泉に入浴しましたが矢張りスーパー銭湯と本場の温泉とでは大違いでした(笑) 大会参加に当たり、主催者様、関係様ありがとうございました。「高齢者が転んでも頭を打たない勉強会」の指導には高齢の柔道経験者がふさわしい神奈川県 清水 勝彦 私の人生は、秋田の漁師村から上京して、東京の大森工場に就職してから始まる。 工場の近くの町道場に通い、初段をもらってから61年が過ぎた。昭和37年に工場の仲間数名と名ばかりの柔道部を立ち上げ、大森の町道場で稽古に励んだ。しかし残業などで、全員揃って稽古する事が困難になり、工場の片隅に木組みを組み合わせ、その上に、家庭の古畳を敷き詰めて稽古に励んできた。夜の稽古と冬の稽古はとても辛かったが、やがて大田区の大会にも参加出来るようになった。今も昔の大田区の先生方と大会などで会うと、とても懐かしい。初段入門から61年、年齢的にもあとわずか、藁にも縋る気持ちで現役を続けている。大会に参加する先生方のように頑丈な体格でもなく、優れた素質を持ち合わせた人間でもない。柔道界に大きな貢献をした事もない。ただ柔道から離れられないだけである。 世の中の善も悪も知り尽くし、毎日のトレーニングに励んでいる後期高齢者であるが、健康で体力のあるうちに、社会奉仕をしたいと思い、地域のボランティア活動に参加している。高齢者宅の庭の木を剪定し、それをトラックに積み、市の処理場へ運ぶというような肉体労働を得意としている。また月二回は、地域の高齢者の皆さんと歌体操のボランティア活動に参加し、インストラクターとして一緒に健康運動に励んでいる。 そんな中で、柔道の受身を応用して、「高齢者が転んでも頭を打たない勉強会」を年に二回行っている。この度、八回目を迎えるが、参加している方は、柔道にご縁のない高齢者ばかりである。その参加者の中で、「柔道は怪我をするから危ない」と言う言葉をよく聞くようになった。このような言葉を子や孫に語られると情けない気持ちになるが、かと言って、否定できる答えもない。柔道人口の減少を眺めているだけである。県の教員クラブの一員として高校の柔道大会にはいつも応援に行っているが、競技人口の減少はここでも顕著になっている。 私としては、この「高齢者が転んでも頭を打たないための勉強会」を行うことで、少しでも柔道の効用を広め、柔道の信用回復に勤めたいと思っているのだが、高齢の柔道経験者ほどこのような勉強会をするのに向いていると思っている。というのも、倒れても頭を打たない自信を持っている経験者でも、高齢になれば、気力があっても、運動不足が重なると体力は衰えてくる。怪我のリスクは増してくる。高齢な柔道経験者ほどこの勉強会を最も身近に指導できるのである。 また市内の高校柔道部の生徒も、学業の合間にこの勉強会に協力をしてくれている。是非協力して、高齢者の転倒事故をなくし、命を救う社会奉仕に参加すると同時に、柔道人口の回復にもつなげていきたいと思う。皆さんのご意見やアドバイスをお待ちしております。