ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

masters2018

会報 <日本マスターズ柔道> 2018年1月9日31昨年和歌山県白浜町で行われた第十四回大会で五回目の出場となりました。 柔道との出会いは祖父が警察で柔道を志しており、父も横須賀の渡辺利一郎先生の道場出身で、実業団で長く柔道を続けており、その背中をみて育った私は、いつしか、柔道着をまとっておりました。親子三代の柔道一家と言う事になります。 マスターズは体重別階級制であることから、減量をよぎなくされ、通常80㎏以上ある体重を大会の計量日に向けて、一年がかりで体重管理を行う生活が続いています。私のエントリーはM6・73㎏級ですが、若い時とは違い減量をするのが並大抵の苦労ではありません。仕事の合間や休みの日などに時間を見つけては、自宅から7キロ離れたスーパー銭湯までロードワークをしてサウナで汗をかいて減量をする。食事も出来るだけ炭水化物を取らず体重維持に努めてはいますが、大好きな晩酌の誘惑にはどうしても勝てません。走り込みは体幹トレーニングの基本ですので、ロードワークのおかげで足腰はまだしっかりしており、まだまだ若いものと稽古をしても引けをとりません。減量をするためのプロテインの常飲も効果的です。 最近はロードワークの友として一歳になる愛犬ジャックラッセルのぽんずと共に走るのが趣味になっており、うちのワンコは筋肉ムキムキマッッチョ娘になっています。今はマスターズに出場することで、減量することが義務化され、健康管理の一環として、体重計に乗り目標の体重に近づいていくことに喜びを感じるこの頃です。 私は、昨年横浜市にある戸塚区柔道会の会長に就任し、同年十月八日に市立戸塚高校 武道館において、「第四十一回戸塚区民柔道大会」を戸塚区体育協会と戸塚区柔道会主催で運営開催致しました。大会では、「親子で盛大に。」をモットーに幼児の部から一般の部まで計246名がエントリーし、親子家族ぐるみで出場されたところもあり、家族の絆を感じました。二〇二〇年に日本で行われる東京オリンピックに向けて、国技である柔道に地域の関心が向いています。私は今後もこの伝統ある大会を継続していき、より一層地域の方々が柔道に親しみを持ってもらえたらと思っています。 柔らの道の「道」という言葉に宿るこの国のこころ。「道」の一文字がつくのは、自分を磨き、高めるための「道」だからでしょうか。勝ち負けよりも、礼を重んじる。相手を敬い、感謝の念を忘れない。そんな境地に通じる「道」と言う言葉がつくる、この国独特の文化。礼節、謙虚、感謝、見えないけれど大切なこころ。大事にしたいです。これからの将来を担う子供達や指導者達に競うのは技のみならず、礼を重んじ他の人を思いやる精神を受け継いでいってもらいたいです。これからも「生涯現役」をモットーに柔道に精進していきたいと思います。マスターズ柔道大会に出場して― 女子団体戦で優勝愛知県 植田 真帆(F3・70㎏) 故郷の和歌山県でマスターズ柔道大会が開催されると聞き、申し込み締め切り直前にバタバタと仲間を集め、「愛知デラックス」として女子団体戦に初めてエントリーさせていただきました。勢いで申し込んだものの、試合なんて十五年ぶり「ケガだけはしないように」と、まずは体づくりを始めましたが、不摂生し続けた身体はなかなか思い通りには動いてくれませんでした。 今大会を通じて、私は2つの柔道の魅力を再確認することができたと思っています。まずは、弱い自分自身と向き合う「勇気」。試合前の極度の不安・緊張感。周りの選手がみんな自分よりも強そうに見えて、その場から逃げ出したくなる。それでも「勇気」を振り絞って試合場に入って礼、左足から一歩前に出た瞬間、なんだか勝てそうな気がして、「よし、こいっ」と相手に立ち向かっていく。年齢を重ねるごとに色んなことから逃げることばかり覚えてきた私にとって、久しぶりに「勇気」を振り絞って本気で立ち向かっていくことができたこの経験は、とても新鮮で心地よいものでした。 二つ目は、柔道を通じてつながる多くの「仲間」。生まれ育った故郷で開催される本大会には、運営や審判等に多くの地元の先生方や生徒が携わってくださいました。試合中、聞こえてくる「がんばれ!」という声援に後押しされ、普段感じることのないレベルの集中力を発揮することができ、「応援を力に変える」というのは正にこのことだと体感することができました。また、新しい「仲間」との出会いもありました。一回戦で対戦した選手と名刺交換したことがきっかけで、講道館の稽古に誘っていただき、先日一緒に汗を流すことができたのです。「「柔道の修行者は、 おのおの社会に対して大使命を有するのであるということを自覚し、精力善用・自他共栄の精神をその身に実行してもらいたい」((「柔道の使命を論じて修行者の融和結束を望む」『柔道』第 2 巻第10号(昭和 6 年)より) これからも精力善用・自他共栄の精神を実行すべく、使命感をもって柔道修行に努めて参ります。今大会の出場にあたり、一緒に出場してくれた仲間、和歌山県の先生方、多くの関係者の皆さまにお世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。右端が筆者