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概要

masters2018

12会報 <日本マスターズ柔道> 2018年1月9日初出場で銀メダル、大会に感謝大阪府 田邊 智彦(M3・66㎏)左端が筆者 私は、今回の「日本マスターズ柔道大会」に初出場させていただきました。きっかけは、明武館田邊道場の指導者から「マスターズ柔道大会に一緒に参加してみませんか?!」との誘いがあったからです。 明武館田邊道場は創立九十四年を迎えます。明武館田邊道場は、私の曾祖父が岐阜県にて天神眞楊流柔術を皆伝し、大阪府池田市の地にて池田警察署勤務中、村の方々から農閉期に農舎の提供により、これを道場に仕立てて『明武館』と称し、地域青少年に天神眞楊流柔術と柔道を授けたことが元々です。この歴史ある道場にて、私は主幹と少年部の監督を任されています。しかし、私は輝かしい柔道戦歴があるわけではなく、ただ柔道が好きで、子供たちに柔道指導している状態でした。私としても、子供たちに目標を持たせ指導している以上、私も目標を持って柔道ライフを送ろうと考え、指導者の誘いに賛同し、マスターズ柔道大会に出場することを決心しました。 これまで高段者大会には出場しましたが、マスターズ柔道大会のようなトーナメント方式の大会に出場することは学生以来でもありました。なかなか練習量も増やすことが出来ない状態で大会日を迎えることになりました。大会当日では、当道場指導者の川合先生が激戦を繰り広げ、見事に準優勝されました。私は大変緊張しました。ですが、思った以上に身体が動き、得意技の背負投げでも一本を取ることができました。決勝戦では、完全な力負けでしたが、最後まで戦うことが出来たことは、私にとって大変価値ある試合になりました。また、準優勝できたことで、自信にもなりました。 マスターズ柔道大会に参加して、当道場から出場した三人の指導者全員が入賞を果たすことが出来たことは、当道場として大変喜ばしいことでありました。また、指導している子供たちの励みにもなったように感じます。このような機会を与えてくださった大会運営者の方々、一緒に大会に参加した指導者のみんな、そして、応援してくれた練習生のみんなに感謝申し上げます。次回のマスターズ柔道大会にも出場できるように、今後も目標を持って精進していきたいと思います。「勝ち負けだけではない「楽しさ」を発見和歌山県 松原 猛真(M2・81㎏)左端が筆者 和歌山で日本マスターズ大会が開催されると知り、先輩の誘いもあって出場することを決めました。人間目標があると変わるもので、気がつくとマスターズ大会のために生活の仕方を変えていました。毎日トレーニングというのは、絶対に続かない自信があったので、週四日でやろうと決め、その日は雨が降ろうが風が吹こうが深夜であろうが行いました。仕事が休みの日には、某大学や県警に単身出稽古に行き、兎に角たくさん投げられました。また毎日毎日、稽古がない日も一人打ち込みをし続けました。さらに経験になるだろうと思い、海外マスターズ大会遠征を計画していました。 毎日少しずつ積み重ねた結果なのか、海外遠征は、全試合一本勝ちで優勝しました。社会人柔道を始めて、十年目にして初めての経験でした。帰国してから、〝日本マスターズ大会でも一本決着の試合ができるようになろう〟そんな目標を立てました。 ところが、大会一週間前に稽古で足首の骨を亜脱臼するという怪我を負いました。それでも、大会当日は運良く、決勝まで勝ち進むことが出来、第二位となりました。敗れはしたものの後悔は無く、晴れやかな、穏やかな、不思議な気持ちでした。 試合後の表彰式の写真は、素晴らしい笑顔をしていました。実は、試合で負けて笑えたのはこれが生まれて初めてでした。うまく言えませんが、〝勝負を超えたエネルギーの交換〟を無心に楽しむことが出来たのです。こういう柔道の楽しみ方もあるのだなといろいろ考えさせられました。ちなみに戦績は四戦して一本勝ちが二回。判定勝ちが一回。決勝は見事に一本負け。僕の目標は、達成されたのでした。 僕は日本マスターズ大会から、勝負の中で、勝負だけではない〝楽しさ〟を見つけることが出来ました。今さらですが、形を一から学び直しています。正に目から鱗。新しい発見がいっぱいでとても楽しいです。 「いつか柔道の様々な〝楽しさ〟を世界に発信できる柔道家になる。」恥ずかしながら三十五歳にしてそんな夢も出来ました。僕の〝柔道の深さ、楽しさを知る旅〟はまだまだ始まったばかりです。