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概要

masters2017

38会報<日本マスターズ柔道>2017年1月31日ましたし、キーウエストへ向かう途中のセブンマイルブリッジでは、1mを超える魚が目の前を泳いでいるのを見ることが出来、アメリカの規模の大きさを実感しました。試合会場のあるフォートローダーデールのホテルの周りは、所謂マリーナで、クルーザーが係留してあり、それらがみな素晴らしいものばかり(五人、十人乗りと云うような規模ではなく何十人も乗れるようなりっぱな船)で、それが地域全体では数十隻ではきかない、数百隻はあろうかと思われるほどクルーザーだらけで、アメリカの金持ちはどれほど居るのかと経済の規模の違いに驚きました。次の世界大会はイタリア開催と聞きましたが、経済が許せば(家内のご機嫌を伺いながら)見分を広げるためにも参加したいと思うところです。エバーグレイスでの記念写真です。どうする日本滋賀県片桐清司一、果たせたか国際親善表彰式に流れる国歌君が代は誰もが感動するもの。今回の米国大会で私はM8・81キロ級で戦い、幸いにも銅メダルを獲得できたことは、日本選手団内藤団長以下のご指導と、応援団も含めた融和団結の賜物とまずもって感謝しております。ところがその表彰式において、被表彰者席でカメラを弄っていた私は、勝者に対する国旗掲揚が始まったのに気づかず、右隣の優勝者ウズベキスタン選手に膝を叩かれてハット驚き起立、他の被表彰者も全員が起立し敬意を表している中で後れを取り、本当に恥ずかしい思いでした。そして、自分たちの番になり表彰台に向かう途中、先の73kg優勝選手のフランス国歌が流れ出し、私たちは直立不動をとるも、目の前にいた応援席の日本人お二人は平気で会話中。私は思わず唇に指を立てて静止を促したが、このとき、表彰台の優勝者は胸にかけた金メダルの上に右手を当てて歓喜の涙でフランス国歌を斉唱。他国の勝者にこそ敬意を払いたいもの。世界スポーツの目的は、一に世界平和と国際親善にあり。二米国人柔道家との交流試合が終り、日本選手団応援席で五十代の試合を観戦していると、以前の大会で私の審判をしてくれた米国人、ポール・タラント氏が三回戦を試合中で思わず駆け寄り応援。試合後、流ちょうな日本語で話す彼が私たちの日本選手団の席に来たので、異国文化交流の好機と捉え、彼にいくつか質問した。先ず、前日の計量と受付は、もっと段取り良く手身近にやれないものか。次に、オリンピック等でも見られるが、礼法が今一。両足を開いたままで礼をしている選手が多いのに審判は誰も注意していないなどの質問に、素直に答えてくれ、他の日本選手も何人か質問。そこで団長の許可を得、親しくなった彼を当日の邦人夕食会に誘ったのです。ポール氏と来日十一年聞の講道館や警視庁での修行体験談とともに、米国大統領選挙結果と次期トランプ大統領に期待することを質問したりの歓談。食事会の最後には全員に「日本柔道に期待する」旨のスピーチをしてくれて拍手喝さい。私は非常にうれしくて、二〇一一年ニューヨークでの世界警察消防オリンピック優勝記念のシャツを彼のTシャツと交換しました。そのポール氏の言動で気にかかったのが、トランプ候補の対日政策。日本に対し駐留米軍経費の負担増額、強いては米軍の撤退と日本の核武装容認発言はまさにその通りが普通の米国人の考えということでした。日本は、敗戦下で占領国の作った日本精神骨抜き憲法のまま七十一年も経過しており、自国に対する誇りや国家意識も薄く、自国の安全は自らが命がけで守るという鉄則さえ忘れているのではないかとの危惧を吐露され、私も全く同感と応えた次第。三日本の危機到来今回の日本選手十七名の内、金メダルは七〇歳代のお二人と三〇代の一名だけ。前回リオ五輪ではかなり好成績を得られたものの、世界の柔道は年々盛況で、サッカーに次ぐ競技人口とその実力は、本家日本を凌ぐ勢いであることはベテランズにおいても現実。また、私のクラスで優勝したウズベキスタン選手六十五歳は、一介の工場労働者との話。一方の私は、柔道を生業としてきた元警察官であり、試合に負けるということは犯人を制圧できず市民を守れなかったということになり、また柔道の本家としても情けない思い。今後の日本柔道においては、競技人口の減少に歯止めをかけるとともに、マインドや技術面において一層の精進努力が求められるとともに、昨今の平和ボケ日本から脱皮し、米国トランプ大統領誕生による早期の国家意識醸成は、喫緊の課題であると痛感。今や、かつての先人が築いた世界に冠たる日本の武士道精神と大和魂を取り戻さなければならない時期にあると思いました。四出場支援者への感謝海外遠征するたびに問われる